YASUHIRO INOUE の

ミシガン便り


YASUHIRO INOUE (^_^)~
Michigan State
University

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英幸パパより
「私のかつての同僚、井上さん。今はアメリカはミシガンの大学で勉強していらっしゃいます。
時々メールをいただくのですが、日本ではわからない楽しい話題、ためになる情報、いろいろ
寄せていただきます。私が独り占めにするのは申し訳ないので、みなさんに紹介します。
といっても、勉強に、仕事に、お忙しい方なので時々、ということになりますがご期待下さい。

怒りのオリンピック

ドーピングよりひどい米国テレビ
 この情報化時代、いくら時差があるといっても、すで
に結果のわかっているオリンピック競技を1日遅れの
録画でしか放映しないのはおかしいと思いませんか?
 五輪放映を1局が独占(NBC)しているアメリカ
では、これが現実です。
 たとえば開会式。すでにシドニーでは終わっている
のに、アメリカの独占局は、「今晩、いよいよシドニーオ
リンピックの開幕です」と、現地にいるスターキャス
ターが(これまた録画ですが)平然と言い放ちます。
 米国のマイケル・ジョンソンが400メートルで金メダ
ルを取った時でさえ生放送なし。ゴールデンタイムに
だけ何度も何度も繰り返し「再生放送」です。悪いこと
に、録画なのにもったいぶらせて「さていよいよ始まり
ます」って感じでアナウンサーは叫び、その合い間に選
手(もちろん米国人のみ)の過去の生い立ちとかイ
メージ映像を延々と流し始めます。どっちらけ以外の
言葉が見つかりません。
 こんな具合ですから、米国相手に競技しない限り、日
本選手はもちろん米国人以外の選手の活躍を米国で見
ることはほとんどできません。高橋選手が金メダルを
取った女子マラソンも、半日遅れの録画でした。幸い、
私の住んでいる街ではカナダのテレビ局がケーブルで
入り、こちらで高橋選手の快走を生で観戦し、感動に浸
れることができました。我が家ではオリンピック観戦
はカナダ局です。そういえば、長野で日本のスキージャ
ンプチームが金を取った瞬間もカナダのテレビ局の生
放送で観ました。
 なぜこんなことがまかり通っているのか、ですが、く
わしい理由は長くなるので割愛しますが、米国の企業経
営は利益の最大化だけが命題であることと、アメリカ人
の「おらが街のこと以外はどーでもいい」という気質で
しょう。実際、彼らにとって五輪よりも、地元アメフト
チームの活躍のほうがよっぽど関心事です。アトラン
タ五輪の際も、騒いでいたのはアトランタとジョージア
州だけで、他州にいると一体アメリカ国内で五輪があっ
ているの、というほど白けたものでした。
 日本のテレビ局のオリンピック総集編が楽しみで
す。

Yasuhiro (Hiro) Inoue
inoueyas@msu.edu


NYのブルーベリー狩り

日本は酷暑だとか聞きますが、お元気でしょうか。こ
ちらミシガンとニューヨークあたりの東海岸は、冷夏
まではいきませんがとても過ごしやすい夏を迎えてい
ます。久々にお便りします。

ブルーベリー
 日本で今ブルーベリーがブームだとか?「目にい
い」と日本でうそぶかれていると伝え聞きました。な
んでもブームにしてしまうのが日本人の国民性でしょ
うか?ところで、このブルーベリー、アメリカでは今
が旬で、スーパーでは1パウンド450グラム(1ポン
ド)で約2ドル前後で売っています。 

 でもわたしたち家族はスーパーでは買いません。ど
うするかというと、摘みに行くのです。もちろんブ
ルーベリー果樹園で摘むのですが、入場料なんてな
く、とっただけ払えばいいので、つむのは子供に任せ
て私はもっぱら食べています。1ポンドで約1ドルで
す。

 それはもう、大きさと甘さが断然違います。大きい
のは大人の親指の先ぐらいあり、甘酸っぱいというよ
り、とろけるような甘さです。スーパーで売ってある
のは、小粒なのがほとんどで、甘さもいまいち。フ
ルーツ州のミシガンにいてよかった、と実感する瞬間
です。

 バケツに山盛り取っていくアメリカ人の姿も珍しく
なく、生で食べるだけでなく、パイやジャムにしたり
してブルーベリー三昧を満喫するわけです。

 ちなみに、7、8月はチェリーのシーズンで、これま
た産地のミシガンでは新鮮で安いチェリーが手に入り
ます。チェリーでおなかいっぱいになる事もありま
す。

風邪はどこでも・・・

2000年冬、アメリカでも今年はインフルエンザが大流行していると連日ニュースが報じています。実は今年からインフルエンザの「特効薬」みたいなものが各社から売り出され、テレビや雑誌で大宣伝合戦を繰り広げいています。何でも、インフルエンザの兆候が出た直後に服用すると、症状が悪化することなく、回復に向かうとのことです。

 幸か不幸か、この薬を試す機会がありませんので、その効能をお伝えすることはできませんが、実は、今年のインフルエンザ大流行は陰謀である、という説もあります。経済紙、ウオール・ストリート・ジャーナルによると、製薬会社が新薬の売り上げを伸ばすため、うまくメディアを使って「大流行」を広めているとのことです。同紙によると、今年は決して例年より患者数が多いわけではないということです。

 ちなみに、このインフルエンザ特効薬は処方箋薬です。日本では考えられないのですが、アメリカではバイアグラからガンの治療薬までコマーシャルが流れてきます。陰謀かどうかはともかく、特効薬のお世話にならずにいたいものです。

悲しい死

 こちらで知り合った日本人女性、サチさんが亡くなり、今日(2000年1月13日)、葬式に出てきました。アメリカ人と結婚し、こちらに渡って10年。3人の男の子を残し、享年38歳の若すぎる死でした。
 他界する数日前、肺ガンの末期症状から呼吸が困難となりました。医師がサチさんに聞きました。「人工呼吸器をつけましょうか。それとも、つけずにおきますか」。「人工呼吸器をつけたらどうなるのでしょう。つけたままでテレビを見ることができますか」。アメリカのテレビ番組が大好きな彼女は聞き返しました。「呼吸器が目の前に延びるので、テレビは見れません。また、延命はできますが、植物状態になります」と医師ははっきり答えたそうです。彼女は迷わず、装着を断りました。主人と親友の日本人女性に見取られ、最後に息をゆっくり吐き出して呼吸が止まったそうです。
 教会での葬儀の後、そのまま墓地へ行って埋葬となります。でも、サチさんの棺桶は再び葬儀場へと運ばれました。彼女が火葬を選んだからです。州都にある大きな葬儀場ですが、火葬は初めてのことで、そのための準備を進めているとのことでした。葬儀の2日後に執り行われます。死の選択から、死後の選択まで、自分の意志が尊重されるアメリカの姿を垣間見た思いでした。

「酒は売れない」ジャック・ダニエル

日本でも愛飲者の多いジャック・ダニエルの「里」、醸造所に立ち寄ってまいりました。テネシーの人里離れたやまあいの地に、ひっそりとたたずんでいました。このジャック・ダニエルの里、アルコール飲料は一切販売できないのです。アメリカの禁酒法が廃止された後も、ここの郡(カウンティー)では禁酒法を残したまま今にいたっているとのことです。ただし、酒を飲んではいけないわけではなく、飲みたい人は車を飛ばして隣の郡まで行かなくてはならないのです(1時間はかかりそうですが)。そこはアメリカのことですから例外はあります。条例によって、ジャック・ダニエルの工場の一角で見学者だけに特製ジャック・ダニエル1種類のみ販売が許されています。「町に滞在中は決して開封しないでください」という条件がつきますが・・・・。

というわけで、醸造所見学につき物の試飲は残念ながらできませんでした。ただ、炭でろ過する直前のジャック・ダニエルを「におわせて」もらうことができました。

めまいがするほどいい香りでした。その特製ジャック・ダニエルですが、もちろん買ってまいりました。金色のメタル・エンブレムがデキャンターを飾り、ふたはコルク製です。アルコール度数はちょっと高めの45度。口の中で丸くなって転がるようなまろやかな舌触り、とろけるような味わいは筆舌に尽くし難いものです。
ちなみに、ジャック・ダニエルはバーボンではありません。テネシー・ウイスキーです。余談ですが、醸造所があまりに辺ぴなところにあるので、「こんなところ日本人は来ないよなー」と妻と話していたところに、添乗員さんにつれられた数十人の日本人団体がやって来ました。「こんなところが観光コースに入っているとは」と驚いたのですが、実は、その一行はジャック・ダニエルを輸入販売しているサントリーの研修団一行でした。あー驚いた。

踏み切りは突っ走れ

近くのシカゴで列車事故がありました。13人の死者を出す大惨事でした。しかし、誰も驚きません。

アメリカでは踏み切りは止まる必要がありません。したがって、踏み切りがあろうと車はそのまま駆け抜けていきます。(ただし、バスは止まらなくてはなりません)。おまけに遮断機の「誤報」も日常茶飯事ですので、遮断機を押し上げて突入する車や、遮断機と遮断機の間を蛇行して通過していく車も珍しくありません。踏み切り事故が多いはずです。


ファーストフードが通じない 

ファースト・フードの英語今やマクドナルドは日本の外食産業ナンバー1。そこで、本場アメリカの「ファースト・フード英語」をお伝えしようと思います。

テイク・アウト
「お持ち帰り」をこんな風に日本語で言いますが、アメリカでは使いません。もちろん、これで通じないことはないと思いますが、正確にはTo Goといいます。それじゃ、お店で食べる時は何というか?これはFor Hereです。

チキンバーガー、フィッシュバーガー
アメリカではこんな呼び方の食べ物は存在しません。私が渡米まもなく、魚が懐かしくなりハンバーガーショップで「フィッシュバーガー」を注文したのですが、店員は「何だそれ」と怪訝な顔をするばかり。「きっと発音が悪いのだろう」と、巻き舌を強調したりと悪戦苦闘。しかし、まったく通じません。結論から言うと、「バーガー」というのは、牛肉のパテをはさんだものだけを指し、他のものは「フィッシュ・サンドイッチ」「チキン・サンドイッチ」というのです。今でも赤面する失敗談でした。ちなみに、ハンバーガーすら「サンドイッチ」といってまったく差し支えありません。

フライド・ポテト 
これも、通じないことはないのですが、アメリカではFrench Fryと言います。なぜ、フレンチなのかは不明です。

アメリカの年末年始   97/12/29

実は、今年初めてアメリカで正月を迎えます。アメリカの正月とはどんなものか知らない
のです。大晦日の日はカウントダウンをして、大騒ぎするとは聞きますが、会社はほとん
ど2日から始まるので、まー、通過点みたいなものでしょうか。知人は元日にフロリダに
旅行に行くというので、なんでやとたずねると「1日はみんな二日酔いで、出掛ける人が
少なく空いているから」とうそぶいていました。


アメリカは11月末の感謝祭からクリスマスまで約1カ月、宴会続きの季節で、もう正月
にはみんな疲れているのではないでしょうか。私もたっぷりおなかに脂肪をため込んで
しまい、かなり焦っています。


しかし日本文化の伝道者としての使命を勝手に背負っている井上家といたしましては、
1日に「おせち料理パーティー」を開いて、おせちを知らないアメリカ人はもとより、日本
食を恋しがっている日本人をたくさん招待することにしています。一家で着物を着て(私
も羽織り袴を持ってきた)みなさんをもてなす予定です。


クリスマスの後は、バーゲンシーズン。わが家もいろいろ買い込んできました。ミシガン
の正月でおもしろいことを発見しましたら、またご連絡いたします。


今年のテーマは「教育」 97/12/24

日本からのニュースは景気の悪いことばかりで、ちょっと大袈裟ですが母国を憂えている
井上一家です。INOUE TIMESをお届けいたします。今年のテーマは「教育」です。
井上家の亭主の留学で一家渡米したわけですが、アンナ、マリア、昌子も様々な学校に
通い思いっきり「留学」しています。そこで、3人が通う学校紹介を通し、日米の違いをお
伝えしようと思います。 みんなで学生しています


Pre-School  
この秋からアンナが通い始めたのは、日本の幼稚園に当たるPre-school
(プリ・スクール。よく「プレ・オリンピック」なんていいますが、正しくは「プリ」)です。マリア
も通っていたミシガン州立大学の付属で、何がいいかってとにかく先生が多いんです。ひ
とクラス20人に、ヘッドティーチャーと学生先生が常時3人、時には5人10 人いて、目がよ
く行き届くわけです。 ただ、日本と違うところは、さすがは個人主義の国だけあって、み
んなが一斉にママゴトだとかお絵描きをやるわけではないことです。教室にある様々なコ
ーナーへ自分が選んで行って活動をするわけです。もちろん、グループ活動もありますが、
これこそ日米の文化差だといえます。


Kindergarten  
日本では「幼稚園」と訳され、誰でも知っている英単語の一つでしょう。ところが日本の幼
稚園とはちょっと違います。何が違うって、Kindergartenは小学1年生にあがる1年前に通
う学校のことで、教室も小学校の中にあり、いわば小学校教育の一部みたいなものです。
正確に言うと義務教育ではないのですが、Pre-Schoolと違って学費もいらず、小学校の
一部になっています。授業は半日で、午前の部と午後の部に分かれています(マリアは
午前の部)。 さて、映画なんかでよく出てくる黄色いスクールバスですが、マリアの小学
校は住んでいる大学のアパート群の中にあり、目の前なので残念ながら黄色いバスで通
学はできません。ただ、フィールド・トリップ(遠足)などでは乗ることができ、いっしょに乗り
込んだ昌子によると「イスは硬くて、粗末な作りでだった」そうです。


ESL (English as a Second Language) School  
昌子を知っている人は驚くでしょうが、実は月曜から金曜までの午前9時から12時まで英
語学校に通っています。政府援助によるESL(第2言語としての英語学校)といい、主に移
民などでアメリカに来たばかりで英語がうまく話せない人を対象に開かれ、学費はただで
す。授業はとても充実し、教室の中にとどまらず、ホームパーティーに招待されたり、「遠
足」に出かけたりします。英語が話せるだけで、ろくに教育も受けてない英米人を雇い、
法外な授業料をとっている日本の多くの英会話学校を思うと、この授業を受けられるだけ
でもアメリカに住んで得した気分になります。


Japanese School of Detroit (デトロイト日本人学校補習校) 
親子で通勤通学、また生業(なりわい)にしているのがここです。マリアは今年できた幼稚
園のうさぎ組、昌子はその幼稚園で教え(幼稚園だけでも5クラスあるので、昌子が教えて
いるわけではありません)、泰浩は小学3年生を担任しています。アンナはその間ベビーシ
ッターにお世話になりお留守番というわけです。幼稚園から高校まで生徒は1000人近く。
普段はアメリカの現地校に通い、土曜日だけ日本人学校に通ってきます。 よくアメリカ帰
りの子供はみんなバイリンガルなんていいますが、これは誤りです。聡明で向学心のある
子はいいのですが、多くは中途半端に終わり、話せるといってもスラング交じりのでたらめ
な英語が話せるだけで、実用にはなりません。これが現実のようです。

それでは、よいお年を。


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戦場さながらでした 97/10/29

私の住んでいるミシガン州立大学のアパートで日本人女子大生が刺されて重傷を負いました。
専攻が同じで、クラスのことで相談に載ったこともあるひとでした。東女を卒業後6月に渡米、
英語の研修を受けた後9月から大学院に入学しておりました。

同棲していたタイ人と痴話喧嘩から刃傷沙汰になり、なんとそのタイ人が彼女を人質に立て
こもったものだから、狙撃手やらマシンガンを持った突撃隊やらが集まってきて、それはもうさ
ながら戦場のようでした。アメリカに来ても勉強一筋の女子学生が多くはありますが、時折こ
んな人騒がせな事件に巻き込まれる日本人女性が多いのも事実です。 やれやれ。


ゴルフざんまい  97/8/14

ご無沙汰をいたしております。
いきなりですが、「勢良さんちのかわら版」はのぞきたくないんです。
だって、ボローニャのパンだとか、創作中華だとか、味覚のない国
アメリカでは夢物語のようなごちそうが載ってるでしょう。目の毒です。
あー、日本に帰って食べ歩きたい!

ところで、その4を送らせていただきます。

食べ物では絶望的な(量なら圧勝ですが)アメリカですが、日本じゃ
太刀打ちできないことを紹介させていただきたいと思います。

*ゴルフはパチンコかゲーセン* 

日本じゃ「お父さんの贅沢な趣味」ゴルフですが、こちらミシガンでは
ちょっと違います。何年かに1度は全米オープンが開かれるミシガン
では、ゴルフは「パチンコ」か「ゲーセン」みたいなものです。パブリッ
クコースだけで700近く(全米一)。コースを回れば小学生から老夫
婦まで楽しんでいます。  私のアパートの目の前にあるミシガン州立
大学コースは36ホースあり、学生だと1ラウンドたったの$10ぽっきり。
全米で唯一「芝(ターフ)研究所」のあるこの大学のコースですから、芝
だってふさふさ。東京近郊だったら3万円はしそうなところです。打ちっ
放しに行っても、日本のようにネットで囲ってあるところなどなく、おまけ
に自然の芝の上で打つのが常識です。  

ミシガン出身ではありませんがタイガー・ウッズが生まれるのも、こうした
環境のおかげでしょう。ちなみに、小生も「ゴルフをしないのは、金の無
駄」と言い聞かせ、せっせとゴルフ場に通っています(といっても、目の前ですが)。

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英幸パパから
「実は、小学生の頃、父に教えられゴルフに手を染めました。
 初めてコースを回ったときのスコアが、ナント96。
 神童現れる!!と言われたものですが、その後は進歩なし。
 昔のゴルフ場は、マナーも良く、とても楽しいところでしたが、
 10数年前からでしょうか、ゴルフ人口が増えるとともにマナー
 が悪くなり、自然とゴルフをやめてしまいました。
 アメリカにもマナーの悪い人もいるとは思いますが、やはり、
 日本とは違います。倉庫に眠っているクラブを、再び持ち出す
 日はくるのでしょうか?」


酒の話 その3 97/7/7

また、酒の話で恐縮ですが、第3弾を送らせていただきます。

「酔ってなけりゃいいんです」 私の妻がミシガン州の運転免許筆記試験を受けたときのことです。ある問題に「酒を飲んで運転をするのは違法である」という問題が出たので、迷わず「マル」を選びました。ところが、「違法」は間違いでミシガンでは「酒を飲んで運転をするのは合法」なのです。

わが妻は、見事この試験に落ちてしまいました。落ちた人には、どこが間違っていたか、あと何点で合格できるかをミシガンでは教えてくれます。「酒を飲んで運転してもいい」を知っていれば合格できたところでした。もちろん、酔っぱらい運転は厳しいおとがめが待っていますが、酔ってなけりゃいいのです。これには、アメリカ諸事情があります。まず、ニューヨークやシカゴといった大都会でない限り、日本のような飲屋街や流しのタクシーなんてありませんし、タクシーを呼んですぐきてくれるのも大都会だけです。

日本から見るとアメリカの大都会に目が行きますが、実は馬鹿広い大地に田舎がぽつぽつあるのがアメリカです。日本の郊外レストランのようにバーが点在し、飲みに行くときは、車で出掛けざるを得ません。酒を飲んで運転をしてはいけない、と仮に決めても「禁酒法」のように守れるわけがないのです。

ミシガンではバーの営業は午前2時と決められ、閉店前には合法的な酔っぱらい運転の車が街にあふれます。

(注)アメリカでは州によって法律がまちまちなので、他の州では「酒を飲んで運転はいけない」かもしれません。


ビールの話 その2 97/6/25

で、ビールの話の続きですが、先日、先進国首脳会議が開かれた米国コロラドのビールの話をひとついたします。
クアーズといえば、ロッキーの水で作ったコロラドを代表するビールです。(発音は、コァーズ。クアーズといっても通じない)。日本では「おしゃれな」とか「都会的な」「粋な」ビールということになっているようですよね。恥ずかしながら、私もそう思っていました。昨年、味にすこしうるさいアメリカ人に、バドを飲んでいることを馬鹿にされた私は、「これならどうだ」と「最近はクアーズを飲んでいるよ」と、今度はいい反応を期待して話しました。ところが、返ってきた反応は「そりゃ、カウボーイ・ビールだよ」と一蹴でした。カウボーイは、必ずしもではないにせよ、無謀もの、荒くれ者、いなかっぺという意味があります。Coorsは、Cool(かっこいいの意味)ビールではなかったのです。
コロラドはテキサスと並んでカウボーイの格好をしたおっさん、つまりカウボーイハットにブーツといったいでたちの比率が異常に高い州です。実際、ロッキーにスキーに行ったとき、街はまるで西部劇の役者が徘徊しているといった雰囲気でした。もちろん、コロラドの人はそんなことみじんも思ってないでしょうが、少なくとも他州の人にとってみれば、「都会的で粋なビール」ではないのです。バドはまずい、クアーズはダサイ。アメリカでは、こういうことになっています。
カフェバーなんかで、「やっぱりクアーズはいかすぜ」なんて思って飲んでいる洒落ものは、少しは考え直した方が良さそうです。
断っておきますが、私はクアーズは大好きで、カウボーイビールと馬鹿にされても、これからも愛飲していくつもりです。

英幸パパコメント  実は恥ずかしながら、私もクアーズ(じゃなかった、コァーズ)が、
            学生の頃から好きだったんです。まだ、一般には全く知られて
            いない頃、東京のデパートを探し歩いたものでした。
            This is America だったんですよね。


ビールの話 その1

一般にアメリカのビールと言えばバドワイザーと言うことになりますが、確かに消費量は多いのですが、私はちょっと苦手です。
アメリカの食通たちに人気があるのが、米国産で唯一ドイツにも輸出しているSamuel Adams(サミュエル・アダムズ)というボストンのビールで決まりです(ただ、1本$1近くもする。バドは、60セントぐらい。安いのは40セント)。でも、最近のアメリカのバーではどこでも数種類の自家ビールがあるので、バーでは大手ビールよりもこちらの方が主流みたいです。日本のビールですが、あれは美味しいと思います。ときどき、誰かが一番絞りや札幌黒ラベルを手に入れてくるのですが、よくできていると思います。


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